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2015 年度 実績報告書

細胞膜の張力を介したアクチン重合制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25440085
研究機関神戸大学

研究代表者

辻田 和也  神戸大学, 学内共同利用施設等, 講師 (10457054)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード細胞膜の張力 / BARタンパク質
研究実績の概要

前年度のライブイメージングを用いた研究から、細胞運動時の先導端形成において、FBP17は細胞膜が縮んだ時に重合し、アクチン重合により膜が伸びた時に脱重合することが明らかとなった。そこで、細胞膜の退縮による一時的な細胞膜の張力の減少がFBP17のリクルートメントに寄与しているのではないかと考えた。この退縮にはミオシンの収縮力が必須であることが分かっており、細胞運動時においてミオシンの活性を阻害すると、細胞膜の張力が減少することが分かっている。そこで、ミオシンの活性を阻害した時、FBP17の局在がどう変化するかを調べた。ミオシンの阻害剤を用いてその活性を阻害させると、FBP17は先導端から瞬時に脱重合することが分かった。さらに、この時、 浸透圧を変化させることにより、細胞膜の張力を人工的に下げると、 FBP17はランダムに細胞全体に重合した。 これらの結果より、FBP17は先導端での膜張力の変動を感知しながら、ダイナミックに極性化し、先導端の形成を制御していることが考えられた。
以上の結果から、FBP17が細胞膜の張力センサーとして働き、細胞膜の張力に応答して、細胞運動を制御するメカニズムの一端を明らかにすることができたと考えられる。また本研究から、BARドメインファミリーが普遍的な細胞膜の張力センサーとして働く可能性があることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Feedback regulation between plasma membrane tension and membrane-bending proteins organizes cell polarity during leading edge formation2015

    • 著者名/発表者名
      Tsujita K, Takenawa T, Itoh T.
    • 雑誌名

      Nature Cell Biology

      巻: 17 ページ: 749-758

    • DOI

      10.1038/ncb3162

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 細胞運動時の極性形成における細胞膜の張力と膜変形タンパク質のフィードバック調節機構2015

    • 著者名/発表者名
      辻田和也、伊藤俊樹
    • 学会等名
      日本細胞生物学会
    • 発表場所
      東京都江戸川区、タワーホール船堀
    • 年月日
      2015-07-02
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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