上皮細胞は、多くの臓器の主成分で、上(頂端面)、下(基底面)という極性をもつ。微小管細胞骨格が、頂端-基底軸に沿って配向する特徴的な編成を示すことが知られていたが、その仕組みは不明であった。微小管は、それ自身がプラス端・マイナス端という極性をもつ。本研究では、微小管マイナス端結合タンパク質CAMSAP3に着目し、マウス小腸と、培養上皮細胞を用いた解析を行った。その結果、CAMSAP3が頂端面に局在してマイナス端を繋ぎとめることで、上皮細胞に特徴的な微小管編成を可能にしていること、そのような微小管編成は、核やゴルジ体などの細胞内小器官が正しく配置されるために必須の働きを示すことが明らかになった。
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