本研究は、眼、鼻、耳の共通原基である頭部外胚葉から、それぞれの感覚器が特異化される仕組みの解明を目的とした。嗅上皮・内耳プラコード特異的に活性を示すNOP1エンハンサーの制御機構に着目した。その制御にはSox2/9とSall4の協調的な活性化と共に、嗅上皮・内耳プラコード以外での抑制機構が重要であるが明らかになった。転写抑制因子Zeb1/2, Snail1/2が、その一端を担うことが示唆された。このような機構は、内耳特異的な他のエンハンサーでも見いだされた。Sox因子とSall4の協調的活性化と抑制因子による抑制機構が、感覚器原基の特異化に関与していると考えられる。
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