骨組織の維持には、骨の形成と吸収のバランスが必要である(骨リモデリング)。このバランスの異常は、骨粗鬆症などの骨の病気を引き起こすが、その仕組みはよく分かっていない。我々は、ゼブラフィッシュの鱗(骨組織)を用いて、骨の形成過程を調べた。その結果、特殊な鱗(側線鱗)にある筒状の構造(管器)が、骨リモデリングによって、絶えず成長していることを示した。さらに、側線とよばれる神経組織(感覚器)が、骨リモデリングを制御していることを明らかにした(Wada et al., 2014)。この研究成果は、神経組織と骨組織が相互作用していることを意味していて、今後、骨の病気の原因解明につながると期待される。
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