• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

ショウジョウバエにおける生殖幹細胞ニッチの形成過程と調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25440119
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設)

研究代表者

浅岡 美穂  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特別協力研究員 (40370118)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード生殖幹細胞 / 幹細胞ニッチ / ショウジョウバエ / 卵巣
研究実績の概要

幹細胞は、多くの生物の組織の維持や再生過程で中心的な役割を担っており、その数は組織や動物種によりほぼ定数に決まっている。幹細胞数を定数に決定し、維持する分子機構は幹細胞の機能やガン化の抑制に重要であるにもかかわらず、未だ不明な点が多い。ショウジョウバエ卵巣をはじめとする多くの動物組織では、幹細胞数はその支持細胞(「ニッチ細胞」)の数に比例することが報告されている。そこで、本研究では、ショウジョウバエ卵巣をモデル系にして、生殖幹細胞数を決めるニッチ細胞の数が定数に定まる過程とその制御分子を明らかにすることを目的として研究を開始した。
研究開始当初、ショウジョウバエの生殖幹細胞ニッチの形成に関する記載が不足しており、ニッチ細胞形成機構の詳細な解析には、卵巣のニッチ細胞形成過程をライブイメージングできるin vitro卵巣培養系の立ち上げが必須であった。本申請者は、H25年度に、そのような培養系を確立し、卵巣中でニッチ細胞と生殖幹細胞ができてくる過程のlive imaging像の撮影・観察に成功した。また、細胞種特異的に蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein: GFP)を発現させた卵巣でlive imagingを行った結果、ニッチ細胞は少なくともTerminal filament細胞 (TF細胞)とIntermingling Cells (ICs)の2つに由来することを明らかにしてきた。
H26年度は、TF細胞またはICsで発現し、ニッチ細胞の形成に関わる因子を探索した結果、Receptor Tyrosine Kinaseシグナルの一つを候補として得た。このシグナル系の構成因子のdominant negative formを強制発現することにより、このシグナル系阻害すると、形成されるニッチ細胞の数が正常数よりも少ないものや多いものが現れ、偏差が大きくなることが明らかとなった。このことから、このReceptor Tyrosine Kinaseシグナルがニッチ細胞の数の限定機構に関わることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者の所属の異動と所属研究室の引越が2年連続で相次いだことにより、予定していた研究補助員の採用を見送ることとなった。それにより、研究に携わる人数が減り、進行がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

H27年度には予定通り研究補助員の採用を行う予定であり、それにより研究の進行をスピードアップできると考えている。これまでに卵巣の培養系の確立とニッチ細胞数の限定機構に関わる分子の同定ができたので、今後はこの遺伝子がニッチ細胞形成のどの過程に関わるのかを、突然変異体や機能阻害型タンパク質を強制発現させた卵巣のlive imaging像の解析により明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

研究代表者の所属の異動により、培養実験を行っていた大学院生が異動し研究を続行できなくなった。また、予定していた研究補助員の採用を見送った。以上により、研究を行う人数が減り、実験に使用する消耗品費およびショウジョウバエ維持費の使用量が計画より少なくなった。

次年度使用額の使用計画

H26年度に遅れた分の研究は次年度に行う予定で、スピードアップをはかるため、移転先で研究補助員の採用を計画している。したがって、消耗品費、ショウジョウバエ維持費、謝金として次年度にそのまま移行して使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] gone early, a novel germline factor, ensures the proper size of the stem cell precursor pool in the Drosophila ovary.2014

    • 著者名/発表者名
      S. Matsuoka, S. Gupta, E. Suzuki, Y. Hiromi and M. Asaoka
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 9 ページ: e113423

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0113423

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi