平成27年度は、本研究で取得した実験結果を2本の論文としてまとめ、論文投稿を開始した。さらに、査読により要求された追加実験を行い、共に平成27年度内に掲載に至った。 PLOS Genetics“Arabidopsis AtPLC2 is a primary phosphoinositide-specific phospholipase C in the phosphoinositide metabolism and endoplasmic reticulum stress response” では主に下記の主要結果3点について報告した。1)9つのAtPLCアイソフォームのうち、plc2変異植物体に根の発育欠損が生じること。2)N-glycosylationの阻害剤であるツニカマイシンで芽生えを処理することにより、小胞体ストレス耐性について調べた結果、plc2変異植物体では、野生型と比較して感受性が上昇し、小胞体ストレスに対して脆弱であること。3)AtPLC2タンパク質の組織特異性及び細胞内局在を形質転換植物体を用いて明らかにしたこと。 Plant Signaling & Behavior “Heterotrimeric G protein subunits differentially respond to endoplasmic reticulum stress in Arabidopsis”においては、シロイヌナズナのゲノムにコードされた三量体Gタンパク質の各サブユニットが小胞体ストレスに対して異なる感受性を示すことを報告した。
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