現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請課題の研究目標として、以下の点を明らかにすることを掲げた。 i, 非典型Aux/IAAの発現制御メカニズムを明らかにする。ii, 非典型Aux/IAAによるオーキシンシグナル伝達抑制がABA情報制御とどのように関わるかを明らかにする。iii, 非典型Aux/IAAおよびその共役因子と、既知の種子成熟マスター転写因子群との間での種子成熟作用メカニズムを明らかにする。これらのうち、iについて、IAA30に関しては、FUS3によるホルモン情報制御が関わり、その詳細を明らかにしている。iiについて、非典型Aux/IAAファミリーのいくつかは種子発芽時のABA感受性の獲得に関わることを見出している。これらの結果は、非典型Aux/IAAによるオーキシンシグナル伝達抑制がABAによる成長抑制制御に組み込まれていることを示唆する。また、iiiに関しては、iaa32-1変異体をEMSで突然変異を誘起した約60,000集団より休眠性の低下が著しく低下したエンハンサー変異株候補を16系統分離した。IAA32と相互作用する共役因子の相互作用ドメインに点変異が生じてIAA32との相互作用が低下した変異体は低休眠性で優性の変異体であることが期待される。このような遺伝様式を示す変異体を現在1系統見出している。以上より、本申請研究の当初計画にみあった研究進展していると判断される。
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