原形質流動は植物の細胞内運動であるが,その分子機構については不明な点が多い.われわれは「小胞体運動が原形質流動の原動力である」という仮説を立て,小胞体運動において全く未知である小胞体側の機構を解明することを目的とし,小胞体膜タンパク質RHD3 (Root Hair Defective3) に着目して解析を行ってきた.本研究では,RHD3が小胞体の膜融合を担うことを明らかにした.また,rhd3変異体では,かさ高い小胞体ネットワークの運動は抑制されるものの,断片化した小胞体は流動できることを見出した.RHD3の小胞体膜融合能と運動性の関係を明らかにすることが,今後の課題である.
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