高等植物の器官成長を制御する過程では、表皮で合成された超長鎖脂肪酸が維管束におけるサイトカイニンの生合成を抑えることで地上部の細胞増殖を調節する機構が存在すると考えられるが、このシグナル伝達経路の分子機構は不明である。本研究では、表皮におけるブラシノステロイドの受容が超長鎖脂肪酸による器官成長の制御に必要であることを示唆する結果を得た。さらに、表皮の超長鎖脂肪酸が内部組織の細胞増殖の制御を行う過程で働く因子に異常を持つと考えられるシロイヌナズナ変異体を5系統単離し、そのうち2系統について責任遺伝子の候補を同定した。
|