種子胚乳の最外層である糊粉層は、穀類では貯蔵栄養の可動化に、双子葉植物では主に発芽のバリアとして働く。シロイヌナズナの糊粉層が消失した突然変異体の解析から、TRG2A遺伝子が糊粉層の分化・維持に働くことを発見した。TRG2Aタンパク質は細胞質に局在し、小胞を介した物質輸送に働くアダプチンと結合することを明らかにした。また、TRG2Aはゴルジ体からの小胞輸送に関わる可能性を示唆した。さらに、小胞輸送に働くCHMP1遺伝子も糊粉層形成に関わることを明らかにした。したがって、糊粉層の分化・維持には、小胞輸送が重要な役割を持つと考えられた。
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