表皮や臓器の表面、血管の内面などは、互いに密着した細胞でおおわれている。基底膜はその細胞を下から支えるシートで、細胞の構造を保つために重要な役割をもつ。しかし生体内で基底膜がどのように変化しているかはほとんどわかっていない。そこで本研究では基底膜を蛍光標識する方法を開発し、マウス体内での基底膜の形成や分解を観察することを目的とした。蛍光標識を遺伝子導入したマウスでは、胎仔から成体まで、全身の基底膜に蛍光標識がみられることが確認された。このマウスを利用することで、将来的に血管の異常やがんの浸潤などの際に基底膜がどのように変化するかを解析し、病気のメカニズムの解明につながることが期待される。
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