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2013 年度 実施状況報告書

基部陸上植物における葉緑体型ペプチドグリカンの存在証明と機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 25440158
研究種目

基盤研究(C)

研究機関熊本大学

研究代表者

高野 博嘉  熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (70242104)

研究分担者 武智 克彰  熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (70515501)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード植物 / 形態 / 葉緑体
研究概要

本研究は、基部陸上植物における葉緑体型ペプチドグリカン(PG)の存在を明らかにし、その機能を解明していくことを目的としている。25年度は以下の解析を行った。細菌の細胞分裂において、ペニシリン結合タンパク質(Pbp)はdivisomeの一部として各種のタンパク質と協調しつつ働いている。既に作成済みの抗PpPbp抗体を用い、単離した葉緑体を用いたBlue Native-PAGE法を行い、PbPbpが約600kDaの複合体の一部である可能性を明らかにした。また、ヒメツリガネゴケゲノム中から見いだしている、PG分解系酵素の候補遺伝子MltBについて、解析を進めた。PpMltB遺伝子破壊ラインを作成して電子顕微鏡観察を行ったが、現在のところ顕著な違いは見いだせていない。この遺伝子破壊ラインは巨大葉緑体の形質を示すが、この形質が野生型PpMltB-GFPによって回復すること、またGFP蛍光が葉緑体で観察されることから、PpMltBが葉緑体で機能し、葉緑体分裂に関わっていることが示唆された。PpMltB強制発現ラインを作成したところ、培養の時間経過に伴い細胞分裂の停止した基部側の細胞で肥大化した葉緑体が観察できるようになった。このことは、葉緑体の分裂停止に伴い、PG分解による葉緑体形態異常が起きることを示唆しており、PG分解系と葉緑体形態との関係が明らかとなった。D-アラニンの重合化を行うDdlの、コケ植物遺伝子破壊ラインの細胞は巨大葉緑体を持つことを明らかにしている。この破壊ラインにおいてD-アミノ酸の定量を行い、実際に遊離D-アラニン量が増えていることを示した。このことはコケ植物でD-アミノ酸が生理機能を持つことを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調に進展していると考えているが、ペニシリン結合タンパク質の実験に関しては協調して働くと考えられる候補タンパク質を見いだせておらず、この点は進めていきたい。また、シロイヌナズナに現存するペプチドグリカン合成系遺伝子については、T-DNAタグラインにおける形質が見いだせておらず、解析を進めていく必要がある。

今後の研究の推進方策

最初の計画に沿って、進めていきたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Involvement of microRNA in copper deficiency-induced repression of chloroplastic CuZn-superoxide dismutase genes in the moss Physcomitrella patens.2013

    • 著者名/発表者名
      Higashi, Y., Takechi, K., Takano, H., Takio, S.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiology

      巻: 54 ページ: 1345-1355

    • DOI

      doi: 10.1093/pcp/pct084

    • 査読あり
  • [学会発表] シロイヌナズナにおいてグリコール酸/グリセリン酸トランスポーターをコードするAtLrgB/PLGG1のヒメツリガネゴケ相同遺伝子PpLrgBの機能解析2014

    • 著者名/発表者名
      中原仁、武智克彰、明賀史純、佐藤博、滝尾進、高野博嘉
    • 学会等名
      第55回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      20140318-20140320
  • [学会発表] ヒメツリガネゴケにおいて葉緑体分裂に関与するプチドグリカン分解系 遺伝子 PpMltBの解析2013

    • 著者名/発表者名
      宇都宮英恵、武智克彰、佐藤博、滝尾進、高野博嘉
    • 学会等名
      日本植物学会第77回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20130913-20130915
  • [学会発表] シロイヌナズナで細胞死の抑制に関わる葉緑体内包膜局在タンパク質AtLrgBとヒメツリガネゴケ相同遺伝子PpLrgBの機能解析2013

    • 著者名/発表者名
      中原仁、山口瑞貴、明賀史純、福丸大介、添石清貴、滝尾進、武智克彰、高野博嘉
    • 学会等名
      日本植物学会第77回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20130913-20130915
  • [学会発表] ヒメツリガネゴケPpLrgB遺伝子破壊ラインにおける細胞の屈曲とコロニーサイズの減少を相補するシロイヌナズナ細胞死関連遺伝子AtLrgB2013

    • 著者名/発表者名
      中原仁、武智克彰、滝尾進、高野博嘉
    • 学会等名
      日本動物学会九州支部・九州沖縄植物学会・日本生態学会九州地区三学会合同大会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20130518-20130519

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公開日: 2015-05-28  

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