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2015 年度 実績報告書

カタユウレイボヤにおける脳腸ペプチド群による卵胞成熟制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25440161
研究機関公益財団法人サントリー生命科学財団

研究代表者

佐竹 炎  公益財団法人サントリー生命科学財団, その他部局等, その他 (20280688)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード卵胞成長 / カタユウレイボヤ / ペプチド / 進化
研究実績の概要

前年度までに明らかになった、カタユウレイボヤ(以下、ホヤ)の卵巣において各ペプチドで発現が制御される遺伝子の産物の卵胞成長に対する効果を評価した。その結果、GnRHより活性化されるプロテアーゼ阻害により、卵胞の成長が阻止されることがわかった。さらに、Ci-GALPで活性化されるWnt系シグナル因子やMAPKを阻害することにより、別の成長段階で卵胞の成長が阻害されることを見出した。これらの結果から、cionin、GnRH、Ci-GALPのホヤ卵胞成長における機能の基本スキームが明らかになった。さらに、これらのスキームをインフォマティクス的に解析したところ、MAPKを中心として、各々のペプチドの制御による卵胞成長が機能的にリンクしていることが示唆される結果を得た。特に、このようなリンクはStage IIIで見られることから、GVBD以降、もしくは、卵胞成長後の排卵過程にも重要な役割を果たすことが考えられる。これらの結果は、全生物を通じて初めての上記ペプチドの卵巣における生物学的役割を明らかにしたものである。また、ホヤの系統分類学上の位置を考えると、本研究で明らかになった機構は、脊椎動物がHPG axisを通じて行う卵胞成長・成熟機構が確立する前から存在すること、および、これらは哺乳類をはじめとする脊椎動物にもh損されている可能性が示唆された。現在、さらに詳細なシグナル伝達経路の特定、ならびに、哺乳類において同機構が保存されているかについて焦点を絞り、研究を続行中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Evidence for conservation of the calcitonin superfamily and activity-regulating mechanisms in the basal chordate Branchiostoma floridae2016

    • 著者名/発表者名
      Sekiguchi T, Kuwasako K, Ogasawara M, Takahashi H, Matsubara S, Osugi T,
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 291 ページ: 2345-2356

    • DOI

      10.1074/jbc.M115.664003

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The significance of Ciona intestinalis as a stem organism in integrative studies of functional evolution of the chordate endocrine, neuroendocrine, and nervous systems.2016

    • 著者名/発表者名
      77.Matsubara, S., Kawada, T., Sakai, T., Aoyama, M., Osugi, T., Shiraishi, A., Satake, H.
    • 雑誌名

      Gen. Comp. Endocrinol.

      巻: 227 ページ: 101-108

    • DOI

      10.1016/j.ygcen.2015.05.010.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Generation of Triple-Transgenic Forsythia Cell Cultures as a Platform for the Efficient, Stable, and Sustainable Production of Lignans.2015

    • 著者名/発表者名
      2.Murata J, Matsumoto E, Morimoto K, Koyama T, Satake H.
    • 雑誌名

      PLOS One

      巻: 10 ページ: e0144519

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0144519.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Characterization of GnRH-like peptides from the nerve ganglia of Yesso scallop, Patinopecten yessoensis.2015

    • 著者名/発表者名
      3.Nagasawa, K., Osugi, T., Suzuki, I., Itoh, N., Takahashi, K.G., Satake, H., Osada, M
    • 雑誌名

      Peptides

      巻: 71 ページ: 202-210

    • DOI

      10.1016/j.peptides.2015.07.022.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] カタユウレイボヤを起点とした脊索動物門に共通する卵胞制御機構の新展開2015

    • 著者名/発表者名
      佐竹炎
    • 学会等名
      第86回日本動物学会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2015-09-17 – 2015-09-17
    • 招待講演
  • [備考]

    • URL

      www.sunor.or.jp

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公開日: 2017-01-06  

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