代表者はコオロギの長期記憶形成能力が加齢に伴い低下することを報告している。本研究ではコオロギを使って、寿命延長処理が記憶能力に及ぼす影響を調べた。低温環境で飼育したコオロギでは長期記憶形成能を維持したまま寿命が延長した。交尾制限したコオロギでは寿命が延長したが成虫脱皮の早い段階から記憶形成能が低下した。抗酸化物質のメラトニンを長期投与したコオロギでは、寿命の延長なしで長期記憶形成能を長く維持できた。また加齢コオロギにメラトニンを単回投与すると長期記憶が形成され、メラトニンが長期記憶の形成過程に重要であることが示唆された。
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