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2014 年度 実施状況報告書

精子CO2センシングの分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 25440169
研究機関島根大学

研究代表者

広橋 教貴  島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (90376997)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードヤリイカ / 精子競争 / 生殖戦術 / 雄2型 / スニーキング交接 / 受精
研究実績の概要

これまでの研究により、ヤリイカには2種類の雄が存在し、スニーキング交接を行うスニーカー雄のつくる精子には、好気的呼吸によって排出する二酸化炭素に応答して遊泳方向を転換し、集合体を形成する能力があることを見出してきた。今年度は、集合体形成の形質が他のイカ類で共通に備わっているかを調査した。スニーキング交接を行う雄が存在する種として、アオリイカ、ケンサキイカ、南アフリカヤリイカなどがいる。アオリイカの精子以外において調べたところ、どちらも集合体を形成した。一方、ペア雄の作る精子には、ヤリイカ同様、ケンサキイカと南アヤリイカにその形質は見られなかった。2型雄システムを持たないスルメイカ、ヒメイカにおいて調べたところ、いずれも精子は集合体を形成した。両種とも交接様式はスニーカー型(雌の体表部へ精莢を受け渡す)であることから、精子受け渡し位置と相関があることが考えられた、そこで、ペア雄の交接様式のみを示すミミイカについて調べたところ、集合は見られなかった。今回の結果は、イカ類における精子集合の形質と雄生殖行動において関連性が高いことが明らかとなった。しかし、集合の分子メカニズムは、未だ不明であるが、種特異性を示すことも示唆された。すなわち、ヒメイカについては、二酸化炭素による集合は観察されなかったことから、別の原理で集合の形質が獲得されてきた、いわば収斂的な進化を遂げてきたと予想される。今後は関連分子を同定し、種間の比較を行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回の結果をまとめて論文を作成中である。

今後の研究の推進方策

雄2型のそれぞれの精子をもちいてプロテオーム比較解析を行った結果、多数のタンパク質がスニーカー、またはペア特異的であることが分かり、精子形質を決める遺伝子候補を得ている。これらを調べて二酸化炭素集合に関与するシグナル分子群を明らかにすることが今後の1つの方向である。また、それ以外の2型精子を区別する形質を見つけることができた。これについても関連分子を探っていく。

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公開日: 2016-05-27  

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