本研究では微量金属イオンの代謝経路と生理学的意義の解明のために、バナジウムを高度に濃縮するホヤ類をモデル系として、人工酵素によるノックアウトホヤの作成実験とバナジウム濃縮経路の逆経路による生理作用の検証実験を行った。また当初計画をさらに深く掘り下げるためにメタゲノム解析とトランスクリプトーム解析も並行して進めた。バナジウム濃度の異なる3種のホヤの器官ごとのメタゲノム解析を行い、金属濃縮度と相関する細菌群を見出した。また、バナジウム放出経路に関与する血球で高発現する新規バナジウム結合タンパク質およびバナジウムチャネル候補遺伝子を見出した。
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