光合成微生物シアノバクテリアの一部の種が、グリコーゲンではなく植物の澱粉に類似した貯蔵多糖を生産する仕組みを解明するため、本研究を行った。二種の澱粉生産株についてゲノム配列を決定し、澱粉性多糖生産能は、複数(2-3個)の枝作り酵素アイソザイムの協調的発現と強く相関することを見出した。グリコーゲン生産性シアノバクテリア株における、澱粉代謝関連異種遺伝子の発現系を構築した。無機栄養欠乏時に澱粉性多糖生産を促進する条件を見出した。また、組換え型枝作り酵素の特性解析を行い、1型、2型酵素は短い糖鎖を転移し、一方、3型は活性が低く短い糖鎖とともに長い糖鎖をも転移し得ることを見出した。
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