研究課題
基盤研究(C)
調査地点としては筑波大構内の湖沼(兵太郎池、松美池、天久保池)および霞ヶ浦を設定し、平成25年度はそれぞれ10回程度取得した。また霞ヶ浦のサンプル入手については、国立環境研究所のご助力を頂いた。これらのサンプルの光学顕微鏡観察を行い、多数の藻類および原生生物を確認した。比較的多くみられた種としてはAulacoseira granulata、A. ambigua、Cyclotella meneghiniana、Cyclostephanos dubius、Cyclostephanos tholiformis、Discostella asterocostata、Fragilaria crotonensis、Ulnaria cf. acus(珪藻綱)、Peridiniopsis sp.(渦鞭毛藻綱)、Cryptomonas sp.(クリプト藻綱)、Chlamydomonas monadina、Pandorina morum、Golenkinia radiata、Acutodesmus sp.、Desmodesmus spp.、Monoraphidium griffithii、Mychonastes sp.(緑藻綱)、Actinastrum hantzschii、Dictyosphaerium ehrenbergianum、Micractinium pusillum(トレボウキシア藻綱)、Euglena sp.、Monomorphina pyrum(ユーグレナ藻綱)が挙げられる。また特記すべき種としては、天久保池からBotryococcus(緑藻植物門トレボウクシア藻綱、藻類燃料源として注目されている)、霞ヶ浦からTrachydiscus(不等毛植物門真正眼点藻綱、比較的多くの脂質を産生することが報告されている)があり、それぞれ比較的多く見られた。これらの情報を含め、既作成のHPである「霞ヶ浦の原生生物」および新規作成のHP「筑波大学構内の微生物」(未アップロード)の新規ページ作成、構成変更などを行った。また特に存在量が多かった藻類・原生生物(主に珪藻綱、緑藻)についてはマイクロピペット法による単離、培養株作成を行い、およそ100株を確立した。これらの株からDNA情報を取得する予定であったが、今年度はそこまでいたらなかった。
2: おおむね順調に進展している
調査地点の設定、そこからの定期的なサンプル入手、および光学顕微鏡観察による藻類・原生生物相の調査という本研究の基本となるステップは確立できた。またその観察から新規の知見(未確認であった生物の存在など)をえることもできた。またこれらのサンプルからの培養株の確立にも成功している。ただし時間の不足から計画にあった分子情報の取得には至らなかった。
基本的なストラテジーについては、昨年度と同じく採集(入手)、観察、株作成であるが、単離法、培養法に関しては検討を行う。また今年度できなかった分子情報の取得に努める。また生態的重要性が高いと思われ得る生物群に関しては(可能性としては緑藻、珪藻、微小鞭毛虫)、他の場所からの採集も含めて特に優先的に情報の取得に努めることも考えている。
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Journal of Plant Research
巻: 127 ページ: 79-89
10.1007/s10265-013-0596-9
www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/PoK/