研究実績の概要 |
筑波大構内の湖沼および霞ヶ浦に関する原生生物相を、主に光学顕微鏡観察に基づいて調査し、それぞれ約650, 580種(未同定種を含む)が確認された。これらの中には、本邦で報告がないものや、新規分類群であると思われるものもあった。またDNA情報を獲得し、形態情報との突き合わせを行った。これらの結果、本邦の富栄養湖沼で一般的な原生生物相のかなりの部分を種レベルで明らかにすることができたと考えている。複数の湖沼でプランクトンとして普遍的な生産者としてはAulacoseira spp.、Cyclotella meneghiniana、Cyclostephanos spp.、Discostella spp、Fragilaria crotonensis、Ulnaria japonica(珪藻綱)、Peridiniopsis sp.(渦鞭毛藻綱)、Cryptomonas spp.(クリプト藻綱)、Chlamydomonas spp.、Pandorina morum、Golenkinia radiata、Acutodesmus spp.、Desmodesmus spp.、Monoraphidium spp.、Mychonastes sp.(緑藻綱)、Actinastrum hantzschii、Micractinium pusillum(トレボウキシア藻綱)、Cryptomonas spp.(クリプト藻綱)、Euglena spp.、Trachelomonas spp.(ユーグレナ藻綱)が挙げられる。また捕食性原生生物としては、Spumella spp.、Paraphysomonas spp.(黄金色藻綱)、Bicosoeca spp.(ビコソエカ綱)、Strombidium sp.、Tintinnopsis sp.(繊毛虫門)、Neobodo sp.(キネトプラスト綱)などが普遍的であった。
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