大陸辺縁における異所的種分化過程の解明に向けて、日本及び台湾に分布するシオガマギク属植物を用いて解析を行った結果、以下のような成果が得られた。まずヨツバシオガマの本州中部系統は日本の固有に分化した種であること(Fujii et al. 2013)、エゾシオガマは日本国内において少なくとも北海道・東北・本州中部系統の3系統に分化していること、白山に分布するタカネシオガマ似の集団はアジア大陸北東部に分布するホザキシオガマであること(Fujii et al. 2014)。九州固有種ツクシシオガマと台湾のタカネシオガマ似の集団は単系統となることなどが明らかとなった。
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