本邦をタイプ産地とするイソギンチャク類のうち,19世紀中ごろから20世紀初頭にかけて採集され,新種記載された種が50種存在する.これらの種のほとんどは,その種の実体が不明瞭になっており再検討の必要性があった.このため,上記コレクションが収蔵されているあるいはその可能性がある博物館においてタイプ標本の探索を行い,発見された38種のタイプ標本について詳細な形態観察を行った.また,各種のタイプ産地において網羅的なイソギンチャク類の採集を行い,タイプ標本の再検討の結果あるいは原記載と比較して,当該種と同定できる標本34種分を特定した.これらの結果に基づき,各種の分類学的再検討を行った.
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