| 研究課題/領域番号 |
25440223
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| 研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
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研究代表者 |
篠原 明彦 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, グループ長 (50183835)
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| 研究分担者 |
原 秀穂 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 林業試験場, 森林資源部長 (40414271)
清 拓哉 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究員 (40599495)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 分類 / 種名同定 / 昆虫 / 膜翅目 / ハバチ類 / 幼虫 / 分子解析 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は，研究用資料を収集するため，篠原と原が6月から9月にかけて北海道各地，篠原が7月から11月にかけて栃木県，群馬県，長野県，大阪府，兵庫県，福岡県，大分県で調査を行い，成虫ならびに幼虫の標本を採集するとともに，幼虫の生態を観察し写真撮影を行った．一部の幼虫については研究室に持ち帰って飼育し，その生態と終齢幼虫の形態について観察した．写真撮影を行い特徴を記録した幼虫は，分子解析用にエタノールで処理，固定した．
調査で得られた成虫標本については，分子解析用にエタノールで固定するとともに，同種の重複個体は乾燥標本とした．これらについて，既存の知見と標本資料に基づいて分類学的研究を行い種名を確定した．タイプ標本を多く含む大阪府立大学（堺市）と神戸大学（神戸市）のハバチ類コレクションを調査した。
その過程で，次のような新知見を得たので，7編の論文として発表した．１）コモンヒラタハバチ（ヒラタハバチ科）の幼虫と生活史の概要，２）カンバ類を食べるキアシチュウレンジ（ミフシハバチ科）の日本からの初記録と分類学的知見，３）2新種を含むウンモンチュウレンジ種群（ミフシハバチ科）の分類学的まとめとウンモンチュウレンジ幼虫と生活史の概要の記載，４）２新種を含むナツツバキを食べるモンクロキハバチ属（ハバチ科）の分類学的再検討と２種の幼虫と生活史の記述，５）日本アルプスでハイマツを食べるマツハバチ科の１新種の記載，６）２新種を含むGilpinia abieticola種群（マツハバチ科）の分類学的まとめ，７）クロハバチ属（ハバチ科）２新種の記載．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、野外調査によりできるだけ多くの未同定幼虫と成虫を採集して両者の遺伝子を抽出し，両者の対応を検討して幼虫の同定を行う．成虫の同定はおもに外部形態に基づいて行うが，ハバチ類には分類学的研究の進んでいないグループも多く，未記載種，日本未記録種も多いため，成虫の分類学的研究も平行して行って，成虫による種の同定を確実にする必要がある．今年度は採集された成虫の同定に多くの時間を割いたが、それにもかかわらず，多くの未同定種が残った．また，野外で採集された幼虫は終齢幼虫の特徴を把握するために研究室で飼育する必要があるが、食べさせるエサの確保など、予想以上に困難な点が多かった．
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| 今後の研究の推進方策 |
２７年度は北海道，本州，四国，九州各地で，採集調査を行って研究資料の蓄積につとめる．とくに、分類学的研究が比較的進んでいて多くの成虫の同定が可能であるにもかかわらず，幼虫に未知のものが多いヒラタハバチ科とハバチ科ハバチ亜科、それに現在分類学的研究が進みつつあるマツハバチ科とミフシハバチ科のクワガタハバチ亜科に焦点を合わせる．幼虫の飼育は、エサとなる寄主植物の入手が比較的容易な低地から低山地の種を重点的に取り扱う．分子データの抽出を効率的に進める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
２６年度は主として研究室における外部形態にもとづいた成虫の分類学的研究に重きを置いたため、野外調査・資料収集を十分に行えなかった。
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| 次年度使用額の使用計画 |
２７年度には，北海道，本州，四国、九州各地で積極的に資料収集を行う予定なので、２６年度からの持ち越し分は、おもに旅費として使用する．
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