核DNAならびにミトコンドリアDNAによる分子系統解析によって得られたクモヒトデ類の系統は,主に形態から推定されていた従来の系統と多くの点で異なることが分かってきた.また,走査型電子顕微鏡や樹脂包埋標本の観察に加えて,X線マイクロCTがクモヒトデ類の骨格の観察に非常に有効な手法であることを明らかにし,それによって腕や盤の骨片の観察を行ったところ,従来重要であると考えられていた分類形質のうちいくつかは系統を反映していないことが判明した.また,初めて観察された骨片の内部の神経孔の配置などの形質が,系統を反映していることが明らかとなった.
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