研究課題/領域番号 |
25440227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人水産大学校 |
研究代表者 |
高橋 洋 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 助教 (90399650)
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研究分担者 |
酒井 治己 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 教授 (80399659)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 適応放散 / 自然種間交雑 / AFLP |
研究概要 |
食品として流通しているトラフグ属魚類10種(各8個体以上)および外部形態より種が判別できない不明フグ36個体について,AFLP法による集団遺伝学的分析を行い,ベイズ法に基づくクラスター分析並びに雑種分析を行った。その結果,トラフグ属魚類10種のうち,トラフグとカラス間に遺伝的差異はなく,これらとその他の8種間には明瞭な差異が検出された。36個体の不明フグのうち,9個体がトラフグ(カラス含む)とマフグの種間交雑個体であり,そのうち7個体はF1雑種,2個体はBC1(戻し交配第1世代)だった。また,9個体がヒガンフグとコモンフグの種間交雑個体であり,そのうちすべてがF1雑種だった。従って,これらの組み合わせにおいて自然種間交雑が多く発生していることが示された。また,不明フグのうち9個体は遺伝的に純粋なフグであり,そのような個体を含む種における形態的多様性を示していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的のうち,AFLP法による種・雑種判別がほぼ終わり,自然種間交雑の多く見られる種の組み合わせや,各種の種内変異についての把握ができた。また,成果の一部を学会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
AFLP法により明らかになった純粋な個体および自然種間交雑の多く見られる種間に形成された雑種について,より定量的な試料採取を行い,トラフグ属魚類の適応放散過程における種間交雑の進化的意義について検討する。また,これらの種においてRADライブラリを作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費のうち試薬・消耗品にかかる金額の一部が年度末まで確定せず,計画に比べて少額になったため,次年度使用額が生じた。 昨年度末に不足した試薬・消耗品の購入に充てる。
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