研究課題/領域番号 |
25440231
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長嶋 寿江 東北大学, 生命科学研究科, 教育研究支援者 (20323503)
|
研究分担者 |
日浦 勉 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70250496)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | ウラジロモミ / トドマツ / 森林 / 個体間相互作用 / アーキテクチャ / 高さ |
研究概要 |
植物の高さは競争下の光獲得に大きな影響を与える。草本群落の植物では、隣接個体の高さに応答して非常に精緻に茎の伸長成長を調節し、結果、周囲個体と同様の高さになる“背揃い”をすることが明らかになってきた。一方、森林樹木ではこのような伸長成長の調節が生じているかは明らかではない。本研究では、隣接個体の伐採によって個体間相互作用の操作を行い、これが個体の成長やアーキテクチャに与える影響を解析し、森林構造における個体間相互作用の役割を明らかにすることを目的とする。 今年度は、北海道大学苫小牧研究林の30年生ウラジロモミ林と30年生トドマツ林について操作実験を行った。ウラジロモミ林については、4つの独立した林分について、隣接個体を全て伐採した処理個体と、伐採しないコントロール個体を各林分1本ずつ用意した。9月から10月にかけて伐採を行うとともに、伐採個体の周囲にタワーを建て、伐採前後の光環境の変化を測定した。トドマツ林については、一つの大きな林分において、隣接個体を全て伐採した個体と、隣接個体の上部2mを伐採した個体と、伐採しないコントロール個体を5本ずつ用意した。伐採個体の一部から樹幹ディスクを取得した。現在、伐採した個体のディスクの年輪を読み取り、これまでの成長速度の解析を進めている。今後は、これら処理個体の成長を追跡する。さらに、2年後に処理個体を切り倒し、高さ成長と肥大成長が隣接個体の有無や高さにどのように影響を受けるのかを定量的に明らかにする予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り操作実験を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度以降は個体の成長を追跡する。2年後に個体を伐採し、樹幹解析を行う。樹木の伸長・肥大成長が隣接個体の状況によってどのように応答するかを明らかにする。
|
次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、詳細な測定を行うよりもサンプル樹木数を増やすことに注力したため、詳細な測定のための費用がかからなかった。 最終年度にサンプル樹木個体を伐採し、樹幹解析などの大規模な測定を行う。サンプル数を増やしたため、サンプル個体を伐採する最終年度に多く費用がかかる予定である。
|