コウモリは観察が困難であるため、その社会性はよくわかっていない。そこで屋久島と北海道においてコテングコウモリの社会システムを調査した。DNA分析の結果、血縁メスが群れを形成すること、およびオスはメスに比べてより分散するが、出生地域のそばにとどまる事、がわかった。彼らの音声を分析した結果、メスがねぐらを離れる際、および新しいねぐらを見つけた際に最も頻繁に社会的コールを発することが分かった。プレイバックすると、その発声頻度は増加し、他個体の音声に対して積極的に応答することがわかった。コテングコウモリはほぼ毎日ねぐらを変えており、音声コミュニケーションが群れのコヒーレンスを支えていると考えられる。
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