日本に侵入したアルゼンチンアリの4つのスーパーコロニーにおいて行動実験を行ったところ、コロニーJMとKBは他コロニーのワーカーに対して集団で攻撃する一方、KCは攻撃を避けるものの採餌活動がより高かった。KAは攻撃性も採餌活動も低く、コロニーレベルでの行動特性の違いが明らかになった。 原産地アルゼンチンで本種を採集し分子遺伝解析を行った結果、4つのクレードに分けられた。1.世界中に分布するJMとKB、各地個体群、2.KCと東部地域、アンデス地域、3.東部地域、4.東京都コロニーであった。地理的遺伝構造はなく、原産地でもパラナ川での交易や鉄道の発達に伴う分布拡大が繰り返されたと考えられる。
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