研究課題/領域番号 |
25440249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉県立中央博物館 |
研究代表者 |
原 正利 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員 (20250144)
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研究分担者 |
内山 隆 千葉経済大学, 経済学部, 教授 (00269367)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 温帯性樹木 / 遺存分布 / 保全生物地理学 / レフュージア |
研究概要 |
年度当初に、研究分担者である内山隆(千葉経済大学)、連携研究者である平吹喜彦(東北学院大学)および富田瑞樹(東京情報大学)の各氏と研究の進め方について打ち合わせた。 温帯性樹木の分布情報については、九州、特に宮崎県と鹿児島県について文献情報を収集し、その情報を元に温帯性樹木の分布南限が集中する鹿児島県(紫尾山、霧島山系、高隈山)において2013年9月に現地調査を行った。また、11月に宮崎県立博物館において標本調査による分布情報の収集を行った。 一方、関東地方については11月に、栃木県立博物館の標本調査による情報収集を行うとともに、温帯性樹木についての標本データベースを得た。さらに、千葉県清澄山系の現地調査を2013年10月と11月に、東京大学千葉演習林内において実施し、その分布環境を栃木県における分布データベースを活用して比較解析した。その結果は、第61回日本生態学会大会(2014年3月14日~18日,広島)において、「常緑広葉樹林帯における温帯性樹木の遺存分布―千葉県清澄山の例―」原正利・青木慎哉(千葉中央博・分館海博)・富田瑞樹(東京情報大)・軽込勉(東大・千葉演習林)として発表した。 花粉分析による植生史の検討については、常緑広葉樹林帯北限域に位置する千葉県君津市久留里および長崎県壱岐と対馬において、試料のサンプリング調査を実施した。堆積物の年代測定を実施したところ、久留里では約8000~5000年前、壱岐では約1.2万年前、対馬では約6000年前の年代値を得た。現在、解析を進めているが、久留里では約6000年前以降に針葉樹林期から照葉樹林期への移行が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1研究打ち合わせ:年度当初に研究分担者および連携研究者と打ち合わせを行った。 2分布データベースの作成:九州、特に宮崎県と鹿児島県について、文献情報および宮崎県立博物館の標本調査を行った。順次、データベース可を進めている。また、関東地方について栃木県立博物館のデータベースにより分布データベースを作成した。 3現地調査:鹿児島県および千葉県において、常緑広葉樹林内に分布する温帯性樹木の生育状況を行った。 4花粉分析:九州北部(壱岐、対馬)および千葉県に置いてボーリングを実施した。分析を進めており、年代測定も実施した。 5学会発表:第61回日本生態学会に置いて成果の一部を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、九州の分布データベース作成を継続するとともに、中国・四国地方についても文献情報の収集をすすめる。九州地域において現地調査を行う。さらに関東地方においてもデータベース作成と現地調査を継続する。 花粉分析については、昨年度に続き、長崎県対馬においてサンプリング調査を実施し、年代測定も実施する予定である。また、昨年度、採取したサンプルにてついての分析を継続する。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品等を既に購入してあったもので間に合わせたことや、レンタカー代金を請求しなかったことにより、11万円あまりの残が生じた。 消耗品や旅費、レンタカー代金、賃金等として、H26年度に支給予定の予算と合わせて使用する。
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