研究課題
ダイズ種子中に含まれるイソフラボン類は、試験官内において一般的に比較的強い抗酸化活性を持つことに加え、これらのうちゲニスティンやダイジンといった分子種は弱いエストロゲン様活性を持つことも知られており、近年、機能性成分として注目を集めている。そこで、本研究では、高度に重複したゲノムを持つダイズを材料として、これらのフラボノイド代謝酵素をコードする遺伝子の発現制御に関与するMYB転写因子を同定し、この遺伝子に変異を導入することで、イソフラボン類を含むフラボノイド化合物の代謝経路に関与する複数の酵素遺伝子の発現を協調的に制御し、これらの化合物の種子中での蓄積量を調節するための新たな技術の確立を目指した。本年度はH26年度までの研究で開発した、N. benthamianaを用いたフラボノイド代謝遺伝子の転写制御に関わる転写因子の評価システムを用いて、CHS遺伝子の転写制御に関わる一部のMYB遺伝子の同定に成功したが、DNAマイクロアレイ解析の結果得られたすべての候補MYB遺伝子の評価には至らなかった。しかしながら、本研究で新たに開発したMYB遺伝子の機能評価系の有用性は確認できたことから、今後、本研究の成果を活用したMYB遺伝子の機能評価と、これを活用したフラボノイド代謝系の代謝工学的改変の道筋が明らかにできたと考えられる。
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