我が国の小麦自給率は10%程度であり、今後、輸入元との自由貿易協定の変化に迅速に対応できる生産システムを予め準備しておくことが重要である。そこで最適作物生産システム構築のため、これまで日本であまり取り組まれてこなかった作物モデルの小麦生産への利用法を確立し適用することを目的とした。 東京都西東京市において窒素施肥パターンや播種期を変えた圃場試験を5シーズン行って作物モデルAPSIMのパラメータ改変と妥当性検証を行い実用精度を確認した。その後、関東地域および北海道において多種の窒素施肥のシナリオ分析を行い、とくに関東において現在の推奨より高いレベルで収量、収益性が上がる可能性を示すことができた。
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