温暖化に伴う水稲の登熟不良は玄米の白未熟粒割合を高め農家収入の減少を招いている。本研究では白未熟粒の発生要因を、収量関連形質、胚乳細胞の内部形態および穂の水分生理との関係から解析した。その結果、(1)白未熟粒割合は日本型品種で粒厚が厚い品種ほど高く、インド型品種で粒幅が広い品種ほど高いことが示された。(2)乳白粒は完全粒に比べ、下位籾は上・中位籾に比べ、高温登熟耐性の低い品種は高い品種に比べ、胚乳細胞の数が少なく、細胞1個当たりの面積が大きいことが示された。(3)日中は葉より穂で有意な水ポテンシャルの低下が生じること,温度の上昇は脱水による穂の水ポテンシャルの低下を伴うことが示唆された.
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