ダイズでは子実登熟期に土壌よりの窒素供給不足を補うため、葉などの栄養器官に貯蓄された窒素を子実に再転流させることが知られている。本研究では、その栄養器官からの窒素流出時期は子実成長が最も激しい子実登熟中期(R6)であること、及びこの時期の土壌窒素を増減することによってこの窒素転流を制御でき、しいては葉の老化を制御できることを明らかにした。さらに葉からの窒素転流にはオートファジー関連遺伝子であるGmATG8cが密接に関わっていることが分かった。本研究の結果から、ダイズが成熟期に一斉に落葉する「一斉登熟性」は登熟期の窒素供給バランスにより制御されていることが実証された。
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