雑穀数種を用いて土壌乾燥,高塩濃度,低酸素の複合ストレスに対する成長と収量の反応を解析した.塩(120mM)と低酸素(対照区の20%)の複合ストレス耐性はヒエ>キビ≧サマイ≧コルネの順に強かった.その理由は,通気組織を発達させて高い低酸素ストレス耐性を示したためと考えられた.塩と低酸素ストレスの成長低下はカルシウム10mMの添加によって緩和された. 土壌乾燥と高塩濃度の複合ストレス耐性は,キビ>ヒエ>アワ>コルネの順に強かった.キビやヒエの乾燥・塩の複合ストレス耐性がアワやコルネより強かったのは,ナトリウムの蓄積が少なく,植物個体の成長を大きく低下させなかったためであると考えられた.
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