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2014 年度 実施状況報告書

ヒマラヤシーダー落葉に含まれるアレロケミカルの構造決定と土壌中での活性評価

研究課題

研究課題/領域番号 25450029
研究機関独立行政法人農業環境技術研究所

研究代表者

加茂 綱嗣  独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (60345759)

研究分担者 平舘 俊太郎  独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (60354099)
轟 泰司  静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30324338)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードアレロパシー / アブシジン酸
研究実績の概要

前年度、ヒマラヤシーダー落葉中の主な植物生長阻害物質はアブシジン酸(ABA)であることが判明した。自然環境下でもこの化合物が活性本体である可能性を探るため、本年度はいくつかの土壌を添加した条件でABAの活性を評価することとした。
火山灰土壌、石灰質土壌および沖積土壌とABAを含む寒天培地にレタス種子を播種して培養後に幼根伸長を測定すると、いずれの土壌を添加した場合も、土壌を含まない寒天培地と比較してABAによる阻害活性が増強された。発芽処理した種子に対してはこの効果は認められず、種子発芽に対するABAの効果のみが土壌によって増強されたと考えられた。これらの土壌の水溶性成分のみを添加しても同様の活性が認められたため、ABA代謝不活性化の可能性が考えられたが、CYP707Aに対する阻害活性は観測されなかった。
通常、土壌中では分解や吸着などにより化合物の活性は大きく低下することが多い。ABAの活性が土壌中でも失われない理由を検討するため、トランス桂皮酸やインドール酢酸とABAの土壌への吸着について調べた。その結果、0.01 mg/mLの濃度で添加したABAは3種いずれの土壌に対してもほとんど吸着されないことがわかった。一方、同濃度で添加したトランス桂皮酸やインドール酢酸は高い割合で土壌に吸着された。計算上の分配係数から、ABAの親水性は他の2化合物より高いと考えられるため、土壌への吸着されにくさは立体構造の違い等、他の要因によると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究推進方策は、アブシジン酸の活性が土壌存在下でそのように変化するか詳細に調べることとなっていた。3種の土壌を用いてそれを調べたほか、それら土壌への吸着度を他の化合物と比較するところまで完了したため、研究の目的はおおむね順調に達成していると考えている。

今後の研究の推進方策

自然条件下で、ヒマラヤシーダー落葉中にABAがどのくらいの濃度で含まれていて、年間を通した変化はどの程度であるか調べる。また、単位面積あたりの落葉量も年間を通して調査し、生態系の中でABAがアレロケミカルとして機能している可能性を考えるためのデータを得る。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度は土壌を用いた生物試験を多く行い、実験補助員の人件費としておよそ予定通り使用した。次年度使用額が生じた主な理由は平成25年度にグロースチャンバーを購入する必要がなくなり、次年度(平成26年度)使用額が生じたことが主な原因である。

次年度使用額の使用計画

平成27年度は野外でのサンプリングを長期間に渡って行うだけでなく、ABA含量も経時的に分析するため、人件費は当初計画より多く必要になる見通しである。次年度使用額はこの目的に使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アブシジン酸は土壌に吸着されにくい2014

    • 著者名/発表者名
      櫻井 栄、加茂綱嗣、平舘俊太郎、轟 泰司
    • 学会等名
      植物化学調節学会第49回大会
    • 発表場所
      京都大学農学部
    • 年月日
      2014-10-17 – 2014-10-19

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公開日: 2016-05-27  

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