イネの花粉形成・成熟過程における糖輸送(雄蕊の葯組織からの糖放出と花粉表面での糖吸収)に着目し、その分子機構を明らかにすることを目指した。そのために、糖輸送体であるSweet タンパクのうち雄蕊で高発現する遺伝子OsSweet5 と、ショ糖トランスポーター遺伝子のうち花粉で高発現するOsSUT3 の遺伝子破壊系統もしくは遺伝子発現抑制系統を用いて、両輸送体の花粉での機能を調べた。その結果、OsSweet5は花粉の形成・成熟に必須ではない一方、OsSUT3は花粉成熟(デンプン蓄積)のための糖輸送に重要な役割を果たすことが明らかになった。
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