平成26年度は、夏用主要花壇苗の主な3品目(ニチニチソウ、ペチュニア、インパチエンス)のうち、ニチニチソウ(エクエイターシリーズ)の花色と花色素(アントシアニンとフラボノール)の構造解析を含む全測定結果を整理し体系的なまとめが終了した。そして、学術論文としても受理され、印刷を待つ状態である。ペチュニア(バカラシリーズ)についても、測色、色素の同定およびpHの測定等、花色と花色素の関係をまとめるための一通りの実験が終了し、学会発表および学術論文としてまとめ、投稿する段階である。よって、次年度(27年度)は主にインパチエンス(エクストリームシリーズ)の実験となる。インパチエンスの花弁の測色、色素精製および構造決定のための乾燥花弁の準備は26年度中に終了したので、ペーパークロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、HPLCなどによりアントシアニンおよびブラボノールの単離精製を行い、FAB-MSによる分子量測定およびNMRによる構造解析等を進める予定である。そして、ニチニチソウおよびペチュニアと同様に花色との関係を体系的にまとめる予定である。さらに、前年度と同様に、上記の3品目以外の花卉作物で花色と花色素の関係を調べるうえでの参考になる情報が得られると考えられる花卉作物においても花色と花色素について同様な実験を進めていく。そして、多くのデータを集めながらこれまでにない新花色品種を育成するための育種法についても引き続き考えていく。
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