研究課題/領域番号 |
25450041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
近藤 悟 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (70264918)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | LED光照射 / 青色光 / 赤色光 / アントシアニン / アブシシン酸 |
研究概要 |
夜間にブドウ樹に赤色および青色LED光を照射し、内生アブシシン酸(ABA)、アントシアニン濃度およびABAの産生に関与するネオキサンチン酸化開裂酵素遺伝子(NCED)、ABA水酸化酵素遺伝子(CYP707A1)、アントシアニンの合成に関与するMybA1-2、 MybA2およびUFGTの発現および光質との関連を試験した。内生ABAおよびその代謝物質ファゼイン酸(PA)は赤色LED光照射区で最も高くなった。対照的にアントシアニン濃度は青色LED光照射区で最も高くなり、続いて赤色LED光照射区で高くなった。一方、MybA1-2、 MybA2およびUFGTの発現は必ずしもアントシアニン濃度と一致しなかった。着色はマルビジン系アントシアニン濃度と一致した。果皮の糖濃度は青色および赤色LED光照射区で高くなった。 以上は夜間の青色LED光照射はブドウのアントシアニン濃度および糖濃度を増加させる可能性のあることを示唆した。一方で、内生ABA濃度は赤色LED光照射区で高くなったにもかかわらずアントシアニン濃度とは一致しなかったことから、アントシアニン合成にはABA以上に他の要因が影響したことが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的である光質の相違と内生アブシシン酸との関係が明らかとなった。また、異なる光質が果実のアントシアニン合成に及ぼす影響が明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、植物工場などでのLEDを利用した果樹栽培が行われる可能性があるため、季節で異なる太陽光波長との相互関連について、内生アブシシン酸およびアントシアニン合成への関わりの面から解明していく予定である。
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