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2015 年度 実績報告書

ウイルスの病原関連分子パターン認識を介した免疫誘導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25450055
研究機関北海道大学

研究代表者

中原 健二  北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (90315606)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードカルモジュリン様タンパク質 / 全身獲得抵抗性 / プライミング / RNAサイレンシング抑制タンパク質 / サリチル酸シグナリング / ウイルス / 植物
研究実績の概要

昨年までに、カルモジュリン様タンパク質rgs-CaMがウイルスのRNAサイレンシング抑制タンパク質RSSをウイルスの共通分子パターンPAMPsとして認識し、サリチル酸シグナルを介した防御反応を誘導する受容体として働くこと、さらに、そのサリチル酸シグナルにより、rgs-CaM自身の持つウイルス防御機能、すなわちウイルスRSSをオートファジーによると思われる分解に導く機能が活性化すること(自己活性化)が示唆された。rgs-CaMのこれらの機能は、rgs-CaMがサリチル酸を介したウイルス防御機構、特に、プライミングと呼ばれる現象に含まれる全身獲得抵抗性に関わっている可能性が考えられたことから、本年はそれを検証した。全身獲得抵抗性とは、病原体の一次感染により植物の免疫機構が活性化(プライミング)された状態になり、病原体が二次的に感染した時、より耐性を示す現象で、現象が見つかって100年を経て、そのメカニズムは未だに良く分かっていないがサリチル酸シグナルが深く関与していること示されている。野生タバコとrgs-CaMをノックダウンした形質転換タバコに二種のウイルス(キュウリモザイクウイルスとジャガイモXウイルス)を接種した。この時、全身獲得抵抗性を誘導した場合としない場合にウイルスを接種して、接種タバコにおけるウイルスの蓄積量を比較した結果、予想通り、野生タバコでは全身獲得抵抗性誘導後にウイルス感染が阻害されたが、その阻害効果はrgs-CaMノックダウンタバコでは著しく失われた。これまでの一連の研究結果により、rgs-CaMがウイルス感染を感知する受容体およびウイルス感染を直接阻害するエフェクターの両方の機能を備え、それらがウイルスに対する全身獲得抵抗性において中心的な役割を果たしていると結論した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Truncated yet functional viral protein produced via RNA polymerase slippage implies underestimated coding capacity of RNA viruses2016

    • 著者名/発表者名
      Hagiwara-Komoda, Y., Choi, S.H., Sato, M., Atsumi, G., Abe, J., Fukuda, J., Honjo, M.N., Nagano, A.J., Komoda, K., Nakahara, K.S., Uyeda I., Naito S.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 6 ページ: 21411

    • DOI

      10.1038/srep21411

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ダイズとツルマメ間の組み換え自殖系統を用いたダイズのクローバ葉脈黄化ウイルスに対する非宿主抵抗性遺伝子のファインマッピング2016

    • 著者名/発表者名
      阿部純也・山田哲也・阿部 純・中原健二
    • 学会等名
      平成28年度 日本植物病理学会大会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター (岡山県・岡山市)
    • 年月日
      2016-03-21 – 2016-03-23
  • [学会発表] カルモジュリン様タンパク質rgs-CaMの機能・働きとそこから導き出される植物の防御戦略2015

    • 著者名/発表者名
      中原 健二
    • 学会等名
      日本植物病理学会北海道部会 第219回談話会
    • 発表場所
      北海道大学農学部 (北海道・札幌市)
    • 年月日
      2015-10-15 – 2015-10-15
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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