イネの BSR1 遺伝子はセリン/スレオニン残基のみならず、チロシン残基をリン酸化する活性を有するタンパク質リン酸化酵素をコードし、イネで過剰発現すると強い複合病害抵抗性が付与される。本研究では、in vitro でリン酸化されるBSR1 のチロシン残基を同定し、その変異体がタンパク質リン酸化活性やチロシンリン酸化に及ぼす影響を明らかにした。また、BSR1 のタンパク質リン酸化活性がBSR1過剰発現による複合病害抵抗性に必須であること、チロシンリン酸化がBSR1の機能発揮に重要であることを明らかにした。複合病害抵抗性にサリチル酸シグナル伝達経路がほとんど関与しないことを示した。
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