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2013 年度 実施状況報告書

飛翔昆虫捕食性メスグロハナレメイエバエの生物的防除資材としての有効性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25450072
研究種目

基盤研究(C)

研究機関高知大学

研究代表者

荒川 良  高知大学, 教育研究部総合科学系, 教授 (10159494)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードメスグロハナレメイエバエ / 土着天敵 / 生物的防除 / 施設園芸 / 広食性捕食者 / 捕食行動
研究概要

成虫が飛翔昆虫を捕食するメスグロハナレメイエバエについて、幼虫期の餌にブラインシュリンプ耐久卵を用いることによる室内飼育体系を確立し、飼育の適温が20-25℃であることを明らかにした。25℃における発育期間は卵期3-4日、幼虫+蛹期21日前後であった。低温の17.5℃においては、発育期間が卵期約7日、幼虫+蛹期約54日と長くなったが、生存率は20℃~25℃での飼育時と差がなかったため、必要に応じて発育を遅延させることができることがわかった。そのため、飼育温度条件を調整することで、必要な時期に必要な個体数を得ることができるようになった。
25℃における雌の産卵については,1回当たり25卵前後を2~3日間隔で3~5回産卵することが分かった。
飼育時に成虫の餌として与えるキイロショウジョウバエ成虫に対する機能の反応を調べるために、20℃条件で、羽化後5~7日で24時間絶食させたメスグロハナレメイエバエの雌雄それぞれに対して、2、4、8、16、32、64のいずれかの密度でキイロショウジョウバエを与えて24時間後の捕食数を求めた。その結果、餌密度に対する捕食数は雌雄ともHollingのType2とされる飽和型の曲線を示し、餌密度64頭区での平均捕食数は雄3.74頭、雌6.79頭となった。
メスグロハナレメイエバエの捕食行動を調べるために本経費で購入したハイスピードカメラで行動観察を行ったところ、飛翔時に左右前脚を前方に伸ばして飛翔する,独特の姿勢を示すことが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

メスグロハナレメイエバエの発育パラメータについてはデータを取ることができた。同種の害虫に対する捕食量は飼育時に餌として与えているキイロショウジョウバエに対するデータは得ることができたが、コナジラミなど他の害虫類や天敵類に対する捕食量のデータを得ることができなかった。
捕食行動の観察についても、飛翔行動をハイスピードカメラで追跡することができたが,捕食行動までは追跡できなかった。

今後の研究の推進方策

メスグロハナレメイエバエの室内増殖は、飼育条件に改良を重ねた結果、これまで以上に容易になり、必要個体数を必要な時期に確保できる体制が整えられたので、前年度未達成の害虫類や天敵類に対する捕食量を明らかにする。また、当初計画どおり、今年度はビニールハウスでの害虫防除のための放飼試験と捕食行動のハイスピードカメラによる観察を行う。

次年度の研究費の使用計画

ハイスピードカメラの購入価格が当初予定より安価になったため、差額を飼育用器財に振り替える予定であったが、飼育方法の改善により餌や容器代も当初計画を大幅に上回るほど必要にはならなかった。そこで平成26年度の消費税増税に対応できるように残額を次年度に送ることにした。
備品としてインキュベータ,消耗品として飼育関係器材を購入するので、それらの補填に使用する。

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公開日: 2015-05-28  

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