研究課題
亜鉛は生物にとって必須元素であり、亜鉛の欠乏により花粉形成の異常、不稔、収量低下が起こる。また、亜鉛が過剰に存在しても生育阻害が起き、不稔、収量低下が起こる。亜鉛元素の重要性にも関わらず、高等植物の胚発生過程における亜鉛元素の機能および制御機構の詳細の多くは未だ解明されていない。本研究ではイネの初期胚発生における亜鉛元素の機能とその制御機構を明らかにすることを目的とする。イネin vitro胚発生系を用いて、亜鉛欠乏の初期胚発生への影響、初期胚への亜鉛元素の供給形態とその元素動態、亜鉛関連遺伝子が初期胚発生および種子成熟過程にどのように関連するか明らかにする。イネ卵細胞を材料に亜鉛欠乏処理条件下および亜鉛十分条件下でマイクロアレイ解析により遺伝子発現の変化を調査した。亜鉛欠乏で処理したイネ卵細胞では複数の金属結合タンパクの遺伝子の発現が上昇した。また、金属元素を輸送するトランスポーター遺伝子の発現も上昇した。一方で、PDRトランスポーターやMFSトランスポーターの遺伝子発現が減少した。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Plant Molecular Biology
巻: 88 ページ: 165-176
doi: 10.1007/s11103-015-0315-0