研究課題/領域番号 |
25450086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
齋藤 明広 静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (50375614)
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研究分担者 |
鮫島 玲子 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00377722)
土肥 博史 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 助教 (10345928)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | キチン / 土壌酵素 / 土壌改良資材 / キチナーゼ / 放線菌 / キトサン |
研究概要 |
畑土壌にキチン粉末あるいはキトサン粉末を添加し、継時的に土壌を採取し、細菌数、糸状菌数、細菌群集構造、キチン分解関連酵素の活性、全窒素・全炭素量、およびアンモニア態窒素濃度を調べた。細菌数と糸状菌数は、キチン・キトサン粉末を添加して11日後に10倍以上に増加した。PCR-DGGE法によって細菌群集構造を継時的に調べた結果、キチンあるいはキトサン粉末を添加した場合には、細菌群集構造が大きく変化がわかった。また、キチンやキトサンの添加によって大きく増加する細菌属を知ることができた。キチン分解関連酵素であるキチナーゼ活性とN-アセチルグルコサミニダーゼ活性は、予想通り、キチン粉末の添加によって上昇した。キチナーゼ活性とN-アセチルグルコサミニダーゼ活性の消長が異なることも示すことができた。また、土壌中のアンモニア態窒素濃度もキチン添加によって大きく増加した。一方、全炭素量と全窒素量は、キチン添加11日後まで大きく変化しなかった。この間、土壌抽出液中のキチン分解物(N-アセチルグルコサミンおよびN,N'-ジアセチルキトビオース)濃度は1 mM以下であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
土壌へのキチン添加実験は概ね交付申請書への記載通りに進行しているが、キチン単糖(N-アセチルグルコサミン)やキチン二糖(N,N'-ジアセチルキトビオース)の添加実験が未達成である。一方、他のアミノ多糖であるキトサンの土壌添加実験を行い比較解析できた点が評価できる。また、本研究課題のカギであるキチン二糖アナログの合成が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度未達成であったキチン単糖(N-アセチルグルコサミン)やキチン二糖(N,N'-ジアセチルキトビオース)の添加実験を速やかに行う。また、土壌へのキチン添加実験については、長期実験も行う。さらに、土壌でのキチン量を定量するための方法を新たに確立し、土壌でのキチンの消長を捉える。一方、合成途中であるキチン二糖アナログの合成を完了させ、キチン二糖アナログ(難分解性キチン二糖)の添加が、土壌の生物性と生化学性に与える影響を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
微生物群集構造解析のうち、平成25年度は細菌群集構造解析を行い、真菌群集構造解析は未達成であった。そのため、次年度使用額が生じた。 平成25年度に未達成であった真菌群集構造解析を平成26年度に速やかにに行い、当該助成金(次年度使用額)を平成26年度に使用する。
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