研究課題/領域番号 |
25450086
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
齋藤 明広 静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (50375614)
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研究分担者 |
鮫島 玲子 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00377722)
土肥 博史 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 助教 (10345928)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | キチン / 土壌酵素 / 土壌改良資材 / キチナーゼ |
研究実績の概要 |
畑土壌にキチン粉末を加えて保温し、0~90日間に土壌を採取して、以下①~⑥を行った。①キチンを定量した。②土壌中の全炭素量と全窒素量を定量した。③アンモニア態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、および酢酸を定量した。④キチナーゼ活性と、N-アセチルグルコサミニダーゼ活性を測定した。⑤細菌数と糸状菌数を計数した。⑥微生物群集構造を解析した。 その結果、0日目に添加したキチンは、90日目まで指数関数的に減少し、90日目にはほとんど検出されなかった。キチン添加土壌では、全炭素量も減少したが、著しい減少は20日目まであり、その後は緩やかに減少していった。全窒素量(無機態窒素と有機態窒素量の合計)は、0~90日間でほぼ一定で、キチン無添加土壌に比べて約+3 mg N/g soilあった。土壌中のアンモニア態窒素量は、15日後程度までの間に増加し、その後ほぼ一定であった。亜硝酸態窒素と硝酸態窒素は数μg N/g soilで微量であった。酢酸は検出されなかった。キチナーゼ活性とN-アセチルグルコサミニダーゼ活性(以下、GlcNAcase活性とする)を測定したところ、キチナーゼ活性がキチン添加後5~10日後に最大となって急激に減少したのに対し、GlcNAcase活性は20日後まで増加し、その後緩やかに減少した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
キチン添加土壌でのキチンの挙動と動態、およびそれに付随する酵素活性の推移を長期間(90日)で評価できた。また、それに伴う微生物数の変化や微生物群集構造の変化を見出すことができた。キチン二糖アナログの合成も計画よりも遅れてはいるが順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
キチン単糖および2糖、キチン2糖アナログの土壌添加実験を行う。平成26年度に行ったキチン添加実験と同様、キチン定量、②全炭素量と全窒素量の定量、③アンモニア態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、および酢酸の定量、④キチナーゼ活性とN-アセチルグルコサミニダーゼ活性の測定、⑤細菌数と糸状菌数の計数、⑥微生物群集構造の解析、を行う。これらによって、キチン添加時との違いを明確にする。
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次年度使用額が生じた理由 |
微生物群集構造解析のうち、平成26年度は細菌群集構造解析を行い、真菌群集構造解析は未達成であった。そのため,次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に未達成であったは真菌群集構造解析を平成27年度に速やかに実施、達成し、当該助成金(次年度使用額)を平成27年度に使用する。
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