炭素のキャリアとして機能するコエンザイムA(CoA)の細胞内濃度をパントテン酸キナーゼ(CoaA)を使って上昇させ、有用物質生産に応用できる大腸菌の分子育種を実施した。CoA生合成経路は原核Ⅲ型CoaAで最も効果的に強化することができ、増大したCoAプールの中で70%以上がアセチル-CoAとして蓄積した。CoAレベルを上昇させるためには、培地へのmMオーダーでのパントテン酸の添加が必須であったが、パントテン酸の前駆体物質であるβ-アラニンおよびパント酸の添加も効果があった。さらに、パントテン酸供給経路で機能する酵素を強化することにより、de novo合成でのCoA増産の可能性が示唆された。
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