我が国の代表的産業微生物である麹菌のプロセッシングプロテアーゼの基質タンパク質を酵素反応中間体をpull-downすることによって補足する方法を開発し、候補の一つとしてポリリン酸キナーゼを見出した。同酵素は酵母においては、酸化ストレスや飢餓ストレスへの対応、リン酸の恒常性維持等に関与している。 kexin欠損株では、細胞壁合成に関わるタンパク質のプロセッシング不全が細胞壁の異常を引き起こし、生育が大きく抑制されると考えてきた。しかし、今回の結果から、kexin が細胞の恒常性に関与するような生育に重要な働きを持つタンパク質の活性化を行っていることが示唆され、新たなkexinの重要性が示された。
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