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2014 年度 実施状況報告書

白麹菌の特徴を規定する転写制御因子の同定と機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 25450106
研究機関鹿児島大学

研究代表者

二神 泰基  鹿児島大学, 農学部, 准教授 (60512027)

研究分担者 後藤 正利  九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90274521)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード白麹菌 / クエン酸 / 分生子
研究実績の概要

前年度は、麦麹造りにおける白麹菌の遺伝子発現情報をDNAマイクロアレイにより取得して、製麹過程でクエン酸生産を誘導(40度から30度への温度低下)した際に顕著に発現変動する推定転写制御因子遺伝子(発現上昇:2遺伝子、発現減少:5遺伝子)を同定した。また、これらの遺伝子破壊株の構築をはじめた。
本年度は、昨年度に破壊できなかった残りの遺伝子破壊株を取得した。また、これらの中でクエン酸生産誘導時に発現が上昇した2遺伝子(nosAとrosA)の機能解析を行った。NosAとRosAは、モデル糸状菌Aspergillus nidulansにおいて有性生殖に関与することが報告されていたが、白麹菌には有性世代は見出されておらず、これらの推定転写制御因子が白麹菌においてどのような生理機能をもつのかについては報告がなかった。そこで、nosAとrosAの単独遺伝子破壊株と2重遺伝子破壊株を構築した。nosAとrosAは温度変化時に発現変動する遺伝子として同定されたが、各遺伝子破壊株のM平板培地での生育(経時的なコロニー径の増大)は、25、30、37、42度の異なる温度において野生株と同様であった。一方、分生子形成能については、rosA破壊株は野生株と同様の表現型を示したが、nosA破壊株とnosA rosA二重破壊株は、分生子形成能が顕著に低下(nosA rosA二重破壊株は、野生株の約20%)した。次に、各遺伝子破壊株を宿主として、Tet-OnプロモーターによりNosA-GFPおよびRosA-GFPを発現する相補株を構築し、蛍光顕微鏡により局在を観察した。その結果、NosA-GFPとRosA-GFPは核に局在することが示唆された。したがって、NosAとRosAは白麹菌において分生子形成に関わる遺伝子発現制御に関与する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

解析対象遺伝子の選定(前年度計画)から、各解析対象の機能解析(本年度計画)に予定通り進めているため、"おおむね順調にすすんでいる"とした。

今後の研究の推進方策

解析対象の遺伝子破壊株の有機酸生産能を、液体培養と固体培養において評価する。また、温度感受性、分生子形成能などの諸性質の解析を継続する。さらに、各推定転写制御因子がどの遺伝子を発現制御しているのかをRNA-seqとリアルタイムRT-PCRにより解析する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Transcriptomic analysis of temperature responses of Aspergillus kawachii during barley koji production2015

    • 著者名/発表者名
      Futagami T, Mori K, Wada S, Ida H, Kajiwara Y, Takashita H, Tashiro K, Yamada O, Omori T, Kuhara S, Goto M
    • 雑誌名

      Appl Environ Microbiol

      巻: 81 ページ: 1353-1363

    • DOI

      10.1128/AEM.03483-14

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 白麹菌における推定転写制御因子 NosA と RosA の解析2014

    • 著者名/発表者名
      二神泰基、田代智史、梶原康博、高下秀春、竹川薫、玉置尚徳、後藤正利
    • 学会等名
      第14回糸状菌分生物学コンファレンス
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス(宮城県、仙台市)
    • 年月日
      2014-11-14 – 2014-11-15

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公開日: 2016-05-27  

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