研究課題
昨年度までにクエン酸高生産誘導時に発現変動する計7の推定転写制御因子遺伝子を同定し、各遺伝子の破壊株を構築した。本年度は、遺伝子破壊株のなかで最も分生子形成能が低下したnosA遺伝子破壊株を解析した。まず、NosAが発現を調節している遺伝子を同定するために転写解析を行った。コントロール株とnosA遺伝子破壊株を液体培地で培養した後、菌体を寒天培地に移して分生子の形成を誘導した。得らえた菌体からRNAを抽出して、RNA-seq解析を行った。その結果、nosA遺伝子の破壊により発現変動する293遺伝子(上昇: 128遺伝子、減少: 165遺伝子、q-value < 0.05)を同定した。次に、白麹菌のゲノム注釈情報の改善を目的として、推定転写制御因子のマニュアルアノテーションを行った。モデル糸状菌Aspergillus nidulansにおいて機能解析された転写制御因子の情報を用いて、白麹菌のゲノムに計114の推定転写制御因子遺伝子を同定した。この結果と昨年度までの解析結果に基づいて、クエン酸高生産誘導条件において計12の推定転写制御因子遺伝子の発現が変動したことが示唆された。
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The Journal of General and Applied Microbiology
巻: 62 ページ: in press