研究課題
平成25-26年度計画において、S. avermitilis大規模欠失体(SUKA)における巨大DNA分子導入法を確立した。S. avermitilisの内在性の線状プラスミドSAP1が保持する接合伝達能に着目し、制限系を有していない同属のS. lividansを供与菌として、SAP1上に導入した100 kb超の巨大な二次代謝産物生合成遺伝子クラスターを接合によりS. avermitilis SUKA株へ導入することに成功した。平成27年度においては、SAP1をベクターとして種々の異種微生物由来の二次代謝産物生合成遺伝子群について実際にSUKA株に導入し、その物質生産性を検討することによって、当該法が有効であることを明らかにした。I型ポリケチド合成酵素遺伝子を含む二次代謝産物生合成遺伝子クラスターをはじめとする種々の巨大遺伝子断片を、当該法を用いてS. avermitilis SUKA株へ導入した後、物質生産性の検討を行った。concanamycinの生合成遺伝子クラスター全長を含む200 kb超の組込み型BACベクターをSAP1ベクター上に組込んだ後、S. lividansを供与菌として、接合によってS. avermitilis SUKA株に効率良く導入するができた。また、約100 kbのnemadectinの生合成遺伝子クラスターを含むBACクローンにおいても同様に導入する事に成功し、約0.15 mg/mLの高い生産性を有していた。さらに100 kbを超える種々の生合成遺伝子群を含むBACクローンにおいても有効であった。これら二次代謝産物の生産性は非薬剤選択圧下でも観察できることから、導入した遺伝子群が宿主細胞内でSAP1ベクター上に安定に保持されていると判断でき、当該法を用いることによって、安定な物質生産が可能であることが明らかとなった。
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J. Antibiot (Tokyo)
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1038/ja.2015.147.
巻: 68 ページ: 533-536
10.1038/ja.2015.20.
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