色素体はストロマのFtsZリング形成を初期イベントとする二分裂によって増殖する。シロイヌナズナのftsZ変異体は、実験室内で野生型と大差ない成長と生殖を示し、しかもどの体細胞にも基本的に色素体が存在することが知られている。本研究では、ストロマ局在性蛍光タンパク質及びシロイヌナズナ珠皮を用いて、FtsZ非依存的色素体増殖に関する解析を行った。その結果、ftsZ変異体のアミロプラストは珠皮の発達過程を通じて細胞内で増殖不能であることが示された。一方、ftsZ原色素体は珠皮の細胞増殖期において両娘細胞に分配可能な細胞内形態・配置を採ることが示唆された。
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