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2013 年度 実施状況報告書

種々の病因となるプロリン特異性ペプチダーゼ類に対する新規阻害剤の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25450138
研究種目

基盤研究(C)

研究機関摂南大学

研究代表者

芳本 忠  摂南大学, 理工学部, 教授 (60088870)

研究分担者 米山 雅紀  摂南大学, 薬学部, 講師 (00411710)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードプロリン / ペプチダーゼ / 糖尿病 / 歯周病
研究概要

これまで本申請者らは、プロリンは他のアミノ酸と性質が異なることから、プロリンに特異性を持つ種々のペプチダーゼを見出してきた。更に、疾病とプロリン特異性ペプチダーゼの関係を明らかにしてきた。これら疾病に対する治療薬の開発を目指し、特異的な酵素阻害剤を求め天然物をスクリーニングした。
1、歯周病菌の持つプロリルトリペプチジルペプチダーゼ(PTP)に対する阻害剤;歯周病菌(P.gingibalis)は糖を代謝できず、アミノ酸を栄養とする特殊な菌である。そのため、コラーゲナーゼとともにPTPを持ち、歯肉のコラーゲンを分解して歯周病を起こすと考えられている。PTP阻害剤を培地に加えることにより、いわゆる兵糧攻めにより歯周病菌の生育を阻止する。
2、腸のジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)の阻害剤;2型糖尿病は腸のDPP4が消化のシグナルとなるインクレチンを分解することで膵臓からのインスリンの分泌が抑えられ2型糖尿病になることが明らかになった。そのため、DPP4阻害剤を天然に見出した。
3、セラチア菌の持つプロリルアミノペプチダーゼ(PAP)と院内感染;毎年のように外科病因でセラチア菌の院内感染が問題となり、多剤耐性の場合死亡者を出している。セラチア菌のペプチド代謝にPAPが必要で、PAP阻害剤をスクリーニングした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

天然物や漢方薬原料などを対象としてスクリーニングを行った。スクリーニング法は96穴プレートを用い、各種酵素に対する特異的な基質を用い、阻害剤活性を、プレートリーダーで測定する方法を用い阻害力をスクリーニングした。
1、歯周病菌の持つプロリルトリペプチジルペプチダーゼ(PTP)に対する阻害剤としてエノキタケに強い阻害活性を見出した。エノキタケから疎水クロマトグラフィーとイオンクロマトグラフィーで部分精製しタンパク質の阻害剤であることを見出した。この阻害物質は他のプロリン特異性ペプチダーゼには阻害せず、PTP特異的であることを確認した。
2、2型糖尿病に関係するジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)の阻害として、アボカドの皮や種子に強い阻害活性を見出した。
3、セラチア菌プロリルアミノペプチダーゼ阻害剤については、強いものはまだ見つかっていない。
このように、これまで報告の無い阻害剤を見出し、大向け順調に進展している。

今後の研究の推進方策

1、天然に見出した阻害剤を単一に精製する;エノキタケやアボカドに見出した阻害物質を単一に精製する。それらのアミノ酸配列を部分的に明らかにし、遺伝子レベルの解析のためdDNAを得る。
2、阻害剤の構造解析;単一に精製した阻害物質の結晶化を行い、X線結晶構造解析により阻害物質の構造を明らかにする。
3、酵素ー阻害剤の複合体の構造解析;阻害物質を用い、酵素ー阻害物質の複合体の結晶化を行い、X線結晶構造解析により複合体の構造を明らかにする。
4、予防薬としての開発研究;(1)歯周病菌の増殖阻害実験を行い予防効果を調べる。(2)DPP-4阻害剤をob/obマウスに投与して、血糖値を測定し、糖尿病予防効果を調べる。

次年度の研究費の使用計画

プロリルアミノペプチダーゼ阻害剤のスクリーニングが少し時間がかかり、次年度に持ち越したことによる。
プロリルアミノペプチダーゼの基質の購入に当てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Prolyl oligopeptidase is a glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase-binding protein that regulates genotoxic stress-induced cell death2013

    • 著者名/発表者名
      Matsuda T., Sakaguchi, M., Tanaka, S., Yoshimoto, T., Takaoka, M
    • 雑誌名

      Int. J. Biochem. Cell Bio.

      巻: 45 ページ: 850-857

    • DOI

      10.1016

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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